みかんのことがよく分かる!みかん辞典

夏みかん

読み方 ナツミカン

概要(分類・生い立ち・産地など)

柑橘の一種。文旦の血を引く自然雑種といわれている。
正式名称は夏橙(ナツダイダイ)。夏柑(ナツカン)とも呼ばれる。

江戸時代中期の1700年頃、山口県長門市仙崎大比日(青海島)に漂着した柑橘の種子を西本於長氏が播き育てたのが起源と言われている。この原木は現在も健在で「夏蜜柑原樹」と呼ばれ、1927年に史蹟名勝天然紀念物に指定されている。
ダイダイと呼ばれ、柚子の代用として用いられていたが、文化年間(1804~18)初頭に萩でも栽培されるようになり、幕末には、夏に食べると美味であることが分かりナツダイダイと呼ばれるようになった。
1863年に藩主が萩から山口に移り、明治維新後の1876年の俸禄奉還により、萩の士族が経済的打撃を受け、萩の乱が勃発した。困窮する旧士族救済のため、長州藩・明治政府の要職を歴任した小幡高政が、夏みかんの栽培を奨励し、栽培が広がっていった。
明治13年には愛媛県・和歌山県へ最初の苗が移出され、明治17年には静岡県に移出され、全国的に栽培が広がっていった。
明治中期に、大阪の仲買商人の勧めで夏みかんという商品名がつけられ普及した。

産地
熊本県(29%)
鹿児島県(23%)
愛媛県(18%)
栽培面積 2023ha
出荷量 32265t
(農林水産省 平成24年産特産果樹生産動態等調査)

解説

温州みかんに次ぐわが国第2の柑橘にまでなったが、 昭和43年頃から夏みかんの改良品種である甘夏などへの転作がすすみ、現在はわずかに加工用を中心に生産が続けられている。

夏みかんの種や白い筋や中の袋にはペクチンという食物繊維の一種が多く含まれている。ペクチンは酸味と甘みを加えて加熱するとゲル状になるため、マーマレードやジャムなどを作りやすい。また夏みかんのペクチンを抽出して他の果物のジャムなどを作ることもある。

特徴

大きさ・形 やや扁平。大きめ
重さ 400~500g
表面の色 黄橙色
平均糖度 10~11度
 全体的にはさっぱりした味わいであるが、ナリンジンの苦味があり酸味も強め
収穫時期 4月~6月。栽培地によっては12月~1月に収穫し、その後5月頃まで貯蔵する場合もある
食べ方 皮が固いのでナイフなどできり、中の袋(じょうのう)も厚いのでとって食べる。現在は生食よりも、マーマレードなど加工して食べることが多い。

関連項目

文旦
甘夏

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